
江ノ電の走る音が背中越しに聞こえる工房で、毎日ジェラートを仕込み、隣のショップでできたてを販売している『GELATERIA SANTi(ジェラテリア サンティ)』。
オーナーの松本純・愛子さん夫妻が店をはじめた経緯はユニークだ。

長い休職期間を取り、旅先のローマで食べたジェラートが、純さんいわく「ハンマーで打たれたほど衝撃的なおいしさ」だったそうで、「それからは北から南まで旅しながら、ジェラートを毎日食べていたら、だんだんジェラートを仕事にするのもいいかもと思いはじめて(笑)」と愛子さん。

その後、モロッコ滞在中に、英語で講習が受けられるジェラートの学校を見つけてUターン。ボローニャにある学校で講習を受け、《ジェラティエーレ》のお墨付きをゲット。「旅は北米から南米へと続いていましたが、ジェラート製造の技術を学んだことで、気持ちが変わっていきましたね。旅の途中、ジェラートの大切な材料になるコーヒー農園やチョコレート栽培を見学させてもらい、大きな刺激をもらいました」。

2年に及ぶ世界旅行で、ふたりが改めて実感した食の魅力は「その土地で採れたものを、旬の季節に食べるのが一番おいしい」ということ。「柑橘類やピスタチオの産地のイタリア南部で食べたジェラートは、トラディショナルだけど、素材の味が生きていました。南米の途上国で食べた、自然農法そのままの野菜や果物の力強い味には感動しましたし、そういうものを食べていると体調も良かったんです。素材の魅力をジェラートで表現したい、とイメージが固まりました」。

ジェラートづくりのテーマのひとつが《ローカルフレッシュ》。できるだけ近隣生産者の食材を使い、季節ごとの味をジェラートに込め、四季のうつろいを舌で感じて欲しいそう。
「レモンは小田原産の無農薬栽培のものですが、見た目は悪いけど、柑橘独特の酸味と雑味があるんです。ジェラートはすっと舌で溶けたあと、素材の味が残ります。その余韻までおいしいジェラートは、野性味のある素材の力なんですよね」。

店は2018年にオープン。昔ながらの蓋つきのジェラートケース《ポツェッティ》に、イタリア仕込みのジェラートを12 種収納。1、2を争う人気は『ローズマリーハニー』。山地酪農の放牧牛のミルクジェラートと鎌倉産の蜂蜜にフレッシュなローズマリーの香りを合わせた。このジェラートが、2019年、ジェラート世界大会の日本予選で、見事2位に輝いた。 「イタリア人審査員にも褒められ、うれしかったですね。凝ったフレイバーも考えたけど、素材がいちばんウチらしいと思い、出品しました」。ジェラートのほか専属パティシェが作る贅沢なデザート、ジェラートケーキも好評だそう。これをもらったら、絶対うれしいよね。

#鎌倉・大船 #スイーツ #ジェラテリアサンティ #ジェラート #アイスクリーム #ジェラートケーキ #デザート
------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 鎌倉市御成町2-14 ☎050-5326-4912
5月~10月11:00~18:00 無休/11月~4月12:00~日没 月曜定休
ダブル550円、トリプル600円、キッズ300円。コーンは+30円。写真はバナナ&いちごソルベ、ローズマリーハニー&ピスタチオ、カカオ&季節のミルク。ピスタチオのジェラートケーキ5,670円
*営業時間や料金、定休日などは変わっていることもあります。
《最新情報はこちらでご確認ください》