ベリコの店へ電話をかけてイチゴは熟れているのかと尋ねてみたけれどベリコもわりと忙しいようで〜♪。年明けに『ベリコの不思議の苺園』を訪ねて以来、ぼくの脳内も不思議なことになっていて、時々なにかの拍子にスイッチが入ると、そんな歌が流れはじめる。やばい。 ベリコの中の人は、眠れる畑の百姓、ナニコレ珍百姓、サブアグリカルチャー評論家、農場カメラマンなど、いくつもアヤしい肩書きを持つ岸幸一さん。若いころからみうらじゅんさんに憧れ、そのみうらじゅん的センスから生まれたキャラがベリコなのだ。農園の周辺に立てられた岸画伯による案内看板も毎年のお楽しみ。
「おやつタイムはベリコのイチゴだね、そだね〜」「ベリコ半端ないって!」など、しっかり流行に乗っかり、昨年はたしかチコちゃん風の女の子がイチゴ食べていたっけ。手作りの着ぐるみでベリコに変身した岸さんは、言葉の代わりにピーとかプープーとか、ハーモニカを吹いてコミュニケーションする。
「最初はふつうにしゃべっていたんだけど、中高生とかには何を話したらいいかわからない。あんなふうにアドリブでどんどん話せるふなっしーは、すごいですよ。あるときにテレビでボブ・ディランがハーモニカホルダーをつけて歌っているのを見て、あれがあったらベリコの中で手を使わずにハーモニカが吹けるかも!って閃いたんです(笑)」。 岸さんはふざけるのが大好きだけど、ふざけてばかりいるわけじゃない。何と言ってもベリコのイチゴ『さちのか』は、びっくりするほど甘くておいしいのだ。完熟まで待ち、ヘタぎりぎりのところまで甘くなったものを収穫して、すぐに農園の直売所へ。ここ超真剣モード。
「うちの『さちのか』は1月から5月が収穫シーズン。その時期はもちろん、4月に苗を作って9月に植えるまでは毎日の水やりが欠かせないし、イチゴ農家って実は旅行もできないくらい、一年中ずーっと忙しいんですよ。昔、平塚のイチゴ農家は80軒くらいあったそうですが、今は24軒しかありませんから」。 おいしいイチゴを楽しく販売したい。くすっと笑えるようなことがあふれるハッピーな世の中にしたい。そのために岸さんは、「次はどんなおもしろいことを仕掛けようかな」って考えているんだろうな、この不思議な苺園で、一年中ずーっと。













ベリコの不思議の苺園 平塚市南豊田579 10:00〜売り切れまで いちごのシーズン中(1月~5月)は無休(臨時休業あり)