「明神ヶ岳の麓で、薪を炊いて石窯パンを焼きたかったんです」という店主の山崎篤史さんは、南足柄の矢佐芝(やさしば)地区に1年半かけてお店をセルフビルド。

小田原と大雄山方面を結ぶ広域農道(小田原南足柄線)沿いにあるこの看板を曲がってから約1.5km、いくつかの案内板を見逃さないようにしないと辿り着けない奥地。屋根の上に薪がどっさり積まれた小屋は、何となく『北の国から』の世界を思い出させる。

石窯焼きのハードパンは、レーズンから起こした天然酵母を100%使用。朝5時から薪を4時間燃やして温めた石窯で、山崎さんが言うところの《山の空気と水をたっぷり含んだパン》が焼き上がる。どのパンも、細やかな愛情をかけていることがすぐわかるような美しい佇まいだ。

パンが並んでいる棚のすぐ近くに石窯があるので、タイミングが良ければ目の前で焼けたパンを取り出すところが見れることも。店内にふわふわと漂っている香ばしいパンの匂いが、ときどき無性に恋しくなる。

天豆(そらまめ)
南足柄市岩原1094 11:00~18:30 木・金・土曜営業(臨時休業もあるので電話にて要確認) *予約可 P5台
クルミ・レーズン230円、チーズオリーブ230円、パン・ド・61 ホール590円、イチジクパン220円。山崎さんおすすめの食べ方。全粒粉入りのパン・ド・61はシンプルに、厚切りにしてバター、薄切りならオリーブオイルで。イチジクパンには、ねりごま(白)をたっぷりと!