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☆祝 営業再開☆洋食屋はうまいハンバーグとポークソテーがあればいい【グリル大磯/大磯】

「40年近く洋食をやってきて、このふたつがおいしければいいんじゃないかな、って思うようになったんです」と語るのは、恩海光シェフ。「このふたつ」とは、『グリル大磯』の二枚看板であるハンバーグステーキとポークソテー・ジンジャーソースのことである。






 2017年11月の開店以来、ランチもディナーも、メニューはこのふたつだけだった。小さいながら具だくさんのスープと、ドレッシングのレシピを教えてほしくなるサラダ、ライス、食後にデミコーヒーが付く。


 どちらも魅力的な味わいなので、まわりの知り合いは、ハンバーグ派とポークソテー派にはっきり分かれた。ぼくはハンバーグ派の一員となり、仲間をどんどん増やしていった。ときどき誰にも見つからないようにこっそりと、ポークソテーも食べていたことは秘密だ。




 ハンバーグには、浅草の牛肉商『但馬屋』でシェフ自ら買い付けてくる黒毛和牛が100%使われている。塊のまま仕入れ、厨房のミンサーで8ミリと4ミリに挽く。「8ミリを7、4ミリを3という割合で混ぜるのが、うちのハンバーグ。粗めの肉を多くすることで、肉と肉の間に空間ができて、ふんわりとした食感になるんですよ」。





 そんなやさしいハンバーグを、さらにやさしく包み込むのが、やはり昔から変わらないレシピで作っているというデミグラスソースだ。そのレシピのルーツを辿っていくと、かつて恩海さんが料理人としての第一歩を踏み出した『東京會舘』に行き着くという。


 一方、ポークソテーは、やまと豚の厚切り、いや《ド厚切り》を使用。脂身多めの豚肉なのにしつこくない、むしろ上品なくらいの旨味と甘味。キリリと男前なジンジャーソースには、ほんのり醤油やごま油の香りが漂い、まあこれだけでもライスが進むのなんの。







 そして、『グリル大磯』前の桜が満開になったころ、恩海さんは「そろそろ夜軽く飲む時につまめるメニューを増やそうかな」なんてことを口にした。その言葉通り、まもなくピザやラザニアが夜限定で登場。ハンバーグ派とポークソテー派も、ほかにメニューがあるのなら、そろそろ仲良くテーブルを囲んでワインのボトルでも開けようか、という雰囲気になってきた。そう、戦いはもう、終わったのだ。


 そんなふうにオイシイモノのチカラで、大磯の町に何だか素敵な刺激を与えてくれている恩海さん。実は、1980年に『代官山FLAGS』というビストロを開いて、地中海料理や立ち飲みワインのブームを巻き起こした伝説的な人物で、あのユーミンも常連だったとか。


 そのあとも虎ノ門『バルタパス』をはじめ、いくつもの行列店を作ってきたカリスマシェフが、「ぼくの人生最後のレストラン」と言い切るのが、この『グリル大磯』なのである。恩海さん、ようこそ海の近くへ。

#大磯 #洋食 #グリル大磯 #ハンバーグ #ポークソテー

 

その後、『グリル大磯』は諸事情によりしばらくお休みとなり、その間に新しいシェフを招いて『ビストロ大磯』として営業していましたが(そちらのお店の料理も素晴らしくおいしくて取材させてもらったので、そのうちアップします)、2020年6月から恩海光シェフ復活!ランチ2種類のみ、というスタイルは変わっていません(残念ながら文中に出てきたピザやラザニアが楽しめる夜の営業は今のところありません)。

 

グリル大磯 大磯町大磯1161-19

営業時間11:30〜14:00(L.O.) 水・木曜定休 P1台

ハンバーグステーキとポークソテー ジンジャーソースは、いずれもスープ、サラダ、デミコーヒーが付いて1,500円

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