「はっぴいえんどの『風をあつめて』が流れていたら気持ちいい場所にしたかったんですよね」と、『かかん梶原店』店主の小嶋章太さん。

まさか麻婆豆腐の取材に来て、はっぴいえんどの名前を聞くとは思わなかったけど、高い建物がない鎌倉市梶原の広い空や、どこかノスタルジックな食堂を思わせる店構えは、ふわっと暖かい春の南風が似合う場所だなと感じる。

10代から都内の飲食店で働き、カフェブームの先駆けとなった店や、リノベーションで話題になった目黒のホテル『CLASKA』などでサービスを経験してきた小嶋さんは30歳の時に独立。閉店した今も伝説の店として語られている『CALLEJERO』をオープンした。
「パートナーのシェフはフレンチ出身でしたが、あえてジャンルを決めず、ビストロでもカフェでもないけど、料理は正統派で勝負し、メニューも毎日変えよう、とにかく面白いことをやろうとはじまった店でした。麻婆豆腐も、やってみる?と軽いノリでメニューに加えたんですが、想像以上に評判が良かったんです」。

研究熱心なシェフが、試作を重ねて完成させた独自のレシピ。その味にもっとスポットライトを浴びせたいと、麻婆豆腐をメインにした店『かかん』を4年前にはじめた。
「ぼくは現場も好きだけど、わくわくしながら《場所》を作ることも好きなんです。中華料理の経験はなかったけど、あえてこの感覚を大事にして店を作ってみたいと思いました。向かいの『POMPON CAKESBLVD.』のアメリカの片田舎のケーキカフェのような雰囲気が素晴らしいし、『かかん』もいい店になる予感がして、店のイメージがわいてきました」と話すイメージの一端が『風をあつめて』というわけだ。

いまやランチ時や、週末の夜は行列もできる人気店になった『かかん』。看板メニューの本格四川風麻婆豆腐は、クセになるほど食べたくなるというファンが続出中だ。鶏ガラや豚足などを長時間煮込んでとったブイヨンと、秘伝の合わせ醤ジヤンで作る奥深い味わい、爽快なしびれの刺激。

「うちの麻婆豆腐は、しびれも楽しめ、うまみもあるというバランスを大事にしているんです。辛さは辛いもの好きな人とそうでない人の中間ぐらい。刺激が足りない方には、青と赤と2種類の花椒を卓上に置き、お好きなだけかけてもらっています。青はスパイシーな刺激があり、赤はさわやかな香りを足しますよ」。

ランチタイムは定食で食べられる麻婆豆腐にはごはん、スープと漬物にデザートも付く。この杏仁ブランマンジェのまろやかで濃厚な味わいが、しびれた口の中をしゅっとリセットしてくれる。そしてサイドメニューでおすすめなのは水餃子。イベリコ豚と海老に大葉という贅沢なあんから出るうまみ満点の餃子だ。

「もっちりした食感が欲しかったので、理想的な厚みの皮を『邦栄堂製麺』に特注しています。茹でたての水餃子を黒酢のたれとピーナッツのたれで食べていただくのが定番ですが、タイ風のソースをかけたものは、うちにしかない味だと思います」。
中華の店とはひと味違う麻婆豆腐や水餃子が味わえる『かかん』。行列に並んででも絶対食べるべき味だ。

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かかん梶原店
鎌倉市梶原1-20-7 11:30 ~ 14:30(L.O.)╱ 17:00 ~ 20:30(L.O.)火曜定休 P2台
本格四川風麻婆豆腐定食1,080円( ※ランチタイムのみ)、夜は麻婆豆腐単品で650円、イベリコ豚と海老の大葉が香る水餃子 レモングラス風味のエスニックソース850円、持ち帰り用麻婆ソース1,000円(税込)
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https://www.instagram.com/kakan_mapotofu/
*営業時間や料金、定休日などは変わっていることもあります。