オーナーのパンチョさんとシェフの廣田すばるさんが中心に営む『Bar Pancho』は、2020年7月で開店9年目を迎える。

「この店を開く前に働いていた『エルマンボ』の店長時代に、スペイン研修に連れて行ってもらったことと、ソムリエになるためにワインの勉強をはじめたことが、この店のベースになっています」とパンチョさん。オープン当時はスペインらしいメニューでスタートしたが、毎年スペインに通ううちに、料理にボーダーラインを設けず、もっと自由でいい、と考えが変わってきたそうだ。

「バルでも星付きの店でも、セビッチェひとつとっても、驚くほど自由なアレンジで出てきます。自然派ワインも自分で飲んで気に入り、店でもどんどんすすめるようになって。9年の間にワイン、料理だけでなく、グラスや皿まで変わりました」。
ワインはスペインと日本の自然派ワインを揃えている。パンチョさんが信頼する酒屋やワインのインポーターから届く自然派ワインは、生産数が少ないものも多いが、バル価格で飲めるのがうれしい。

この店らしい自由な料理を生み出しているのが廣田シェフだ。イタリア、フランス料理両方の経験があり、トスカーナ地方にあるレストランで修業した。その時代に何度か遊びに行ったスペインで、バルの楽しさを体感したそう。 「そのときは将来スペインバルで働くとは想像もしなかったけど、いろんな料理を経験したメリットを大事にして、自由に遊び心も交えてメニューを考えています」。

バル定番のイワシのマリネにしても、そのままタパスでも出すし、季節のフルーツが入ったときはジャガイモと合わせて一品料理に仕上げてくれる。そういう選択ができるのも、この店の魅力。

行く度に感動するのは1畳もないカウンターの中の狭い厨房で、100円のピンチョスもイベリコ豚のグリルも、羊の煮込みでも何でもござれで作ってしまうこと。冬の定番、鳩のローストも素晴らしい火入れ具合で出してくれた。

「これ、スペイン料理?と聞かれたら違うのかもしれないけど、冬はヨーロッパ全土はジビエの季節だし、やっぱり料理に関しては、常に《旬》は意識していたいんですよね。鳩は身だけでなく、赤ワインと内臓を合わせてソースにしました。ただ、スペインらしさを出すために、これだけは、と使っているのがシェリービネガーです。微かな甘さが特徴の調味料で、酸味づけに欠かせません」。

廣田さんは北海道の出身なので、地元の生産地を訪ねて気に入った食材を見つけると、積極的に取り寄せている。広い農園で自然放牧された羊や蝦夷豚など、なかなか食べられない食材が使われた肉料理が黒板にあったら、必ず食べるべし。

そして姉妹店である茅ヶ崎のクラフトビアバー『Golden Bub』内のブリュワリー『Barbaric WORKS』で作られたばかりのクラフトビールが飲めるのも、この店ならではだ。
「スペインもクラフトビール文化が根付いてきて、小さなブリュワリーがたくさん生まれています。料理とのマッチングを考えて、必ず2種類のクラフトビールを開栓しているので、まずはビールで乾杯!がおすすめですよ」。

#辻堂 #BarPancho #スパニッシュ #スペインバル #GoldenBub #BarbaricWORKS #クラフトビール #ナチュラルワイン
----------------------------------------------------------------------
Bar Pancho
藤沢市辻堂2丁目16-8 17:00 ~ 26:00 日曜定休
ピンチョス各種100 円、山鳩のロースト カブのグラタン添え2,400 円、イワシのマリネ 柿とジャガイ500 円、メインの山鳩にオススメの赤ワインは『メンダル コル・デル・ニーニョ2015』グラス800 円
《テイクアウト情報はこちらでご確認ください》
https://www.facebook.com/Bar-Pancho-249954705019604/
*営業時間や料金、定休日などは変わっていることもあります。