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シェフの家に招待された気分で【Akizuki/鎌倉】

 江ノ島の人気店だった『Loasi(ロアジ)』が閉店する、と聞いたときは驚いた。ただ、同時にシェフ・秋月光広さんの新しいチャレンジにワクワクもしていた。

 

『Akizuki』は、2019年2月に北鎌倉に誕生した。シャビーな木の引き戸を開けると、大きなテーブルがひとつ、奥は秋月さんの一挙手一投足が見られるオープンキッチンのカウンター席。藁の混じった漆喰の壁は落ち着く色みだし、主な改装は宮大工さんに依頼したという和風の室内はとてもリラックスできる。



「テーブルひとつとカウンターというのは、思い描いていたイメージです。席数も減らし、ぼくの家にご招待し、食事してもらうような店にしたかったんです。だから長居は大歓迎。ランチで3時間、ディナーなら4時間ぐらいいらっしゃる方がほとんどかな。そのためにコースの料理数も多くしています」。


 

 テーブルにはお箸。ひと皿ずつサーブされるコース仕立ての料理は、すべて和のうつわで供される。和食器店やギャラリーを回り、秋月さんがすべて選んだそう。そのうつわの由来を聞きながらの食事も楽しい。

「『Loasi』は、メニューをアラカルトでたくさん用意していましたが、そうすると、絶対これを食べてもらいたいというものが、選んでもらえなかったりしていました。コースなら必ず食べてもらえるし、ひとつひとつの料理に手間もかけられます。季節感をきちんと感じてもらえることはもちろん、うつわと料理のコーディネートも含め、毎日、じっくり考えながら料理と向き合えるのが、いますごく楽しいんですよ」。 



 前菜とスープは、ひと月単位で内容を決めているが、その後のラインナップは、当日手に入れた食材で決めるそう。最初にこの店に行ったとき、パスタにあたるフレグラが、漆器のお椀で登場してびっくりした。

「ワインビネガーの代わりに、京都の『飯尾醸造』の酢を使ったり、調味料や出汁も和のものを多く使うようになりました。地元のものだけにこだわらず、おいしいと思う地方の食材や調味料を使いたい。ワインはイタリア産を中心にぼくが好きなナチュラルワインだけを置いています」。



 撮影の日はカマス、カンパチ、赤イカをマリネし、夏野菜と和えた前菜と、鮎を使った手打ちパスタのキタッラ、そして肉料理として、宮崎産赤毛和牛のビステッカを作ってくれた。こっくりした赤い焼き色に合わせた、トレヴィスに赤タマネギ、赤いじゃがいも、シャドウクイーンの色合わせにニヤリ。



 この店を流れる空気に触れていると、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』が思い浮かぶ。隅々まで明るい西洋的な照明や雰囲気とは対極にある、陰影やほの暗さに心地良さを見出す日本的な光や色彩、もてなしの心、そして北鎌倉というロケーション。コースを食べ終わるころ、秋月シェフがここで表現したいことが少しわかった気がした。




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Akizuki

鎌倉市山ノ内1386-2 12:00 ~ 15:30 / 18:00 ~ LAST ※月・金曜はディナーのみ 木曜定休、月に2回月曜不定休


昼コース(7品)3,900 円、夜コース(10 品)7,000円 



《テイクアウト情報はこちらでご確認ください》

https://www.facebook.com/Akizuki-520736805104160/


*営業時間や料金、定休日などは変わっていることもあります。



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