
大胆な筆致、鮮やかな色使い。ボタンなどの凹凸を表現するために、絵の具チューブで直接塗りたくることもある。金髪女性シリーズを描く岩本義夫さんのモチベーションは、「金髪のおねえちゃんが描きたいだけ」と至ってシンプル。5年前にはじめて絵を描いた時から、金髪一直線。
スタジオクーカにある机のまわりには、ファッション誌から切り抜いた外国人モデルの写真がずらりと並び、絵にしてもらうのを待っている。一枚だけ黒髪女性が混じっている理由を聞くと、「この人は金髪に変えて描くんだよ、その方が絶対似合うから」と岩本さん。なるほど。降参。
かつて20年ほど採石現場で発破屋として働き、「耳栓しても意味ないくらいすごいダイナマイトの音」を毎日聞いていた。クーカで絵を描く今の生活はとても静かで楽しそうだ。「楽しくねえよ、描かねえといけねえだけだよ」なんて、照れ屋の岩本さんは言っているけど。
作家:岩本義夫
1953年、平塚市生まれ。父親の左官業を手伝った後、長らく発破屋として働く。脳梗塞で倒れてリハビリ後、2011年からスタジオクーカに参加。
studio COOCA スタジオクーカ
精神障害、知的障害、身体障害など様々なハンディキャップを持ったメンバー90名が、絵画や創作などそれぞれの好きなこと、やりたいことで収入を得るために活動する福祉施設。
GALLERY COOCA ギャラリークーカ
メンバーの作品やグッズ満載のギャラリーカフェ!
平塚市明石町14-8(平塚駅北口から徒歩6分)
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