何度もグッときてしまった湯河原新聞の記事。朝からいいもの読ませてもらいました。
らぁ麺 飯田商店、ベッカライ和っしょい、鳥助、BAR CLAVE、ハンバーガーショップ カオス、湯河原菓子工場ランブル、十二庵、こゝろ。
うみちかではこれまでに、湯河原のおいしいお店をいくつも取材してきました。もはやここはただの温泉地ではなく、ドライブのついでに立ち寄るというよりは、そこで食べるためにわざわざ湯河原まで行く価値のあるようなお店が、どんどん増えているのです。 個人的には、毎月末に湯河原へうみちかを配達するときに、必ず小さな食堂へ立ち寄ります。ここのカツ丼は日本一、と地元の人は言うけど、ぼくはひそかに世界一なんじゃないかと(笑)。
湯河原は、ほかのエリアに比べて料理人同士の交流が盛んで、それぞれの得意料理を順につくっていくような、めっちゃうらやましい会がときどき開かれています。貪欲なのか真面目なのか、《よりおいしいもの》を真剣に追い求めるんですよ、みなさん。新しい料理を考えていたら飯田商店さんからいいヒントをいただいんですよー、なんてスペインバルの店主さんから聞いたときには、なんだそのジャンルを越えたレシピトークは、ここはもしかしてサンセバスチャンなのか、なんて思ったり。
ぼくは、おいしいものを食べながらおいしいものの話をしているときが一番シアワセなんですが、湯河原にはそういうおいしいもの好きの気持ちをよくわかっているような、なんならいっしょにそういう話で盛り上がってくれそうな料理人がまだまだいるに違いない、と勝手に決め込んでいます。
そんな湯河原ではじまったテイクアウト情報のFBページ『湯河原 飲食店テイクアウト情報』。これまで、自分たちの腕とセンスで東京からお客さんを呼び寄せて、神奈川のはじっこにある湯河原を盛り上げようとしていた料理人たちが、コロナのせいでいきなり《湯河原に呼べないモード》に切り替えなければならないつらさ。でも、そこで、この危機をとりあえず乗り切るために、しょーもない弁当を売ろう、とは思わない、いや、思えないひとたち。
このFBを立ち上げたおふたりの言葉を、記事から引用します。どの町のどのお店にもあてはまる言葉なんじゃないかな、と思います。
「店の売り上げはもちろんだが、コロナで外出自粛になって“心の健康”のことも考えると、やはり、おいしいものを家で食べれるだけでも違う。自分の馴染みのお店や、それ以外でも、プロがつくったものを家に持って食べれる喜びを感じてほしい」と、十二庵の浅沼宇雄さん。
「食でお客さんに喜んでもらいたい思い。『今の状況でやれることは何だろう』と考えてやっていくだけ。あがくだけ。今あがいていれば、終息した後の光が見えたときに、売り方やお客さんの喜ばせ方など、みんなやれることが増えてくるはずだと思う。いつもと違うやり方をすることによって、違う結果が見えてくるのではないか。絶対何かプラスになるはず。飛躍のジャンプへ今はしゃがんでいるようなもの」と、らぁ麺 飯田商店の飯田将太さん。
負けないココロ、熱いココロザシ。ここにはコロナ時代をサバイブするためのヒントが詰まっているような気がします。
海の近く編集部 塩谷卓也
