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うまいうどんはすぐ出てこない【うどんAGATA/大磯】

 これまでに『AGATA』であたたかいうどんを注文したことがないので、ずいぶん偏った意見かもしれないが、この店は冷や系がおいしい。中でも、最もシンプルで最もビジュアル系なのが冷やかけだ。キリリと冷えされてエッジの立ったうどんは、その調和を箸で壊すのがためらわれるほど神々しい。麺だけでなく出汁までキンキンに冷えている。







 店主の山縣浩和さんはさぬきで修行したそうだが、そのうどんのコシの強さは、さぬきとはまた違った感じ。ぼくはコシが強くておいしいうどんを食べたくなると『AGATA』へ行くので、山縣さんも好みをおぼえていてくれて、黙っていても固めに茹でてくれる。


 それはもちろんぼくに限ったことではなく、彼はいつも調理場から、さりげなく店内を見回している。あのひとはいつごろから誰と何回くらい来ていて前回なにを食べていた的な脳内データをスキャンしながら、うどんを茹でているように見える。「お客さんによってちょっとやわらかめに茹でたり、薄味にしたりと、自分なりに微調整しているんですが、そういうのは大きなお世話かもしれないし、どこまでそういうサービスをしていいのか、するべきなのか、まだ試行錯誤中なんです」。

 それはうどん屋ならではの、というよりは、脱サラするまで四半世紀も某外車の敏腕営業スタッフとして活躍していたという山縣さんならではの、サービスへのこだわりなのかもしれない。


 冷やかけに話を戻そう。それくらい美しい麺なので、今回のうどん特集をやろうと思ったときから、表紙は『AGATA』の冷やかけと決めていた。単品の冷やかけは具が寂しいので、輪切りのスダチがのった『AGATAうどん』の冷やかけを撮らせてもらった。

 この『AGATAうどん』というのが何とも素晴らしいメニューで、かけうどんに付いているつけ汁の中身は、温泉玉子、かしわ天、いりこ揚げ、ごま、しょうが、大葉、小ネギ、鰹節、もみ海苔という《おいしくないわけがない》ラインナップ。うどんをそのままで、あるいは、汁につけて食べると、最後に柚子酢の香るひとくちごはんが出される。これを残ったつけ汁に入れれば、かけうどん、つけ麺、追い飯と、三度も楽しめてしまうのである。

 

 ちなみに、冷やかけとあたたかいかけの出汁はベツモノだし、『AGATAうどん』のつけ汁とぶっかけの汁もベツモノ。「醤油は何種類もブレンドしたり乾物を加えたりしたものを使い分けているし、出汁やかえしはメニューによってレシピがすべて違います」と聞いたときは、そして実際にそうしたボトルがずらりと並んでいるのを見たときは、「ひえー」とのけぞるしかなかった。天ぷらを揚げること以外、山縣さんがほぼひとりでうどんをつくっているので、混んでいる昼時に注文が集中すると、出てくるまでに時間がかかることもあるが、このうどんのためならば待ちますとも。

 尊敬の念を込めて言わせてもらえば、山縣浩和というひとは相当な《うどんばか》なのだと思う。脱サラすることはできても、わずか7年で、そこまでのレベルに達するなんて、並大抵な努力ではありえない。そんなひたむきなうどん職人の一杯がいつでも食べられる大磯に、うみちか編集部があることに感謝。

#大磯 #うどん #AGATA #あがた #手打ちうどん #冷やかけ #コシ


うどんAGATA

大磯町月京29-7 0463-68-6888

営業時間11:00~14:30、金〜月曜17:30〜20:30(L.O.20:00) 木曜定休 P7台 《テイクアウト情報はこちらでご確認ください》 https://www.facebook.com/udonAgata/


AGATAうどん(かけうどん、いりこまたはとろたまのつけ汁)1,050円、天然大えびと野菜天ぶっかけ1,350円、かしわ天ぶっかけ960円、ざるうどん580円

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