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ビーフシチューも茶碗蒸しもください【愉食処 山むろ/平塚】

 とんでもない山の中にあるわけでも、驚くほど町外れにあるわけでもない。なのに、道に迷いながらはじめて『山むろ』を見つけたときは、平塚の市街地にある食事処に到着しただけとは思えない、ちょっとした達成感に包まれる。


 畑に囲まれてポツンと佇む割烹料理店。店主・山室達也さんは、東京の懐石料理店などで修業し、2013年にこの店を開いた。『愉食処(ゆうしょくどころ)』という造語には、「みんなでわいわい楽しく食べるところ」という意味が込められているそうだ。




 週に3回は川崎の北部市場へ仕入れに行き、さらに生シラスや地魚は毎日、平塚の市場でも調達している。新鮮な魚介と旬の野菜を中心とした割烹料理と種類豊富な地酒が、この店のウリ。なので当然、メニューには和食がずらりと並んでいるのだが、その中で最も目立っているというか、明らかに浮いているのが、この和風ビーフシチューなのである。


「お店をはじめたときに、なにかひとつ変化球メニューをやりたくて、ビーフシチューに決めたんですが、デミグラとかは使いたくなかった。自分の得意な和の食材で、洋食を越えられるものができないか、挑戦してみようと思ったんです」。 



 鰹節と昆布をベースにした出汁に、ワインではなく日本酒をたっぷり投入。和牛のスネ肉は、崩れないようにひと塊ずつ糸で縛ってから煮る。圧力鍋では思ったようなホロホロ感が出せなかったので、じっくり9時間かけて、弱火でコトコトと。


 今のレシピに辿り着くまでに1年半かかったというビーフシチューは、牛肉の濃厚な旨味と和の出汁の上品な旨味がひとつになった、ここにしかない味。夢中になってそのまま全部すすってしまいそうになるが、好みで、追加した白飯にかけたり、鍋に白飯を入れたりしてもおいしい。



 ちなみに白飯は、新潟産コシヒカリを3升釜でガス炊きにしている。パンが欲しいというお客さんもいるそうだが、「シチューはあっても、あくまでも和食の店なので、そこはパンではなくごはんで(笑)」。

 


 山室さんが「大好きなのでいっぱい食べたい、というぼくの願望が詰まっているんです」と言うのが(たぶんビーフシチューもそうに違いない)、夜メニューの茶碗蒸しだ。その量はふつうの2倍いや3倍くらいか、中は生麩、湯葉、白玉、キノコ、シラス、白身魚、白子など魚介わんさか宝石箱状態。


 ひと口頬張れば、なんとも繊細な銀あんが香る、しみる、目をつぶってくうーっと唸る。できあがるまでに30分以上かかるので、早めに注文しておくといいかも。 


 山室家は代々、寿司屋を営んできたそうで、「幼いころからうちの寿司を食べていたので、大人になるまでほかの寿司屋へ行ったことありませんでした」なんて話を聞くと、やっぱり来世は寿司屋の子どもに生まれたいものだと、しみじみ思う。


 オイシイモノで育った少年は、オイシイモノを作る料理人になった。そして、工夫を重ね、手をかけて、ほかにはない和風ビーフシチューを生み出した。その味はネットやクチコミで広がり、また新たなお客さんがやってくる。たとえ、わかりにくい場所にあっても。道に迷っても。


#平塚 #和食 #割烹 #山むろ #ビーフシチュー #茶碗蒸し #地酒

愉食処 山むろ

平塚市西真土 4丁目2-43

営業時間11:30〜14:00(L.O.13:30)/ 17:00〜22:00 (L.O.21:00)  水曜定休(ほか不定休あり) P5 台 《テイクアウト情報はこちらでご確認ください》 https://www.facebook.com/愉食処-山むろ-596169037117517/

和風ビーフシチュー 1,300円(ランチタイムはサラダ、小鉢、 漬け物、ごはん、デザート付きで 1,200円)、大きな茶碗蒸し600円(夜のみ)、ランチ 900円〜

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