新鮮な鶏を揚げただけというシンプルこの上ないKOYAMAの『ひな鶏の素揚げ』。このひと皿が食べたくて、鎌倉の奥まった場所にある店まで素揚げファンが訪れる。店を営むのは、小山勇・暁子さん夫妻。以前は大船でひな鶏と野菜料理がメインの居酒屋を営んでいたが、震災後に店をたたみ、鎌倉・二階堂でコース料理の店として再開した。

「震災の影響で、使っていたひな鶏が手に入らなくなり、やむを得ず閉店しました。うちで使っているのは生後40~50日、1キロほどの小ぶりな鶏なので、それが入らないと同じ味には作れないんです」と勇さん。
今では茨城から理想的なひな鶏が安定して入るようになり、看板メニューが復活。素揚げはなみなみと油が入った中華鍋で半身を約10分間揚げる。揚げ油は大豆白絞油と鶏油などを、何種類かブレンドしている。高温の油に鶏を入れると、バチバチバチッと雷鳴のようなものすごい音。この大きな音もうまさの秘密。

皮はバリバリと音がするほどクリスピーで、身はしっとり。骨もポリポリと食べられる。唐揚げや鶏天とはまったく別のうまさだ。 「揚げる前に鶏を水にくぐらせてから揚げるので、一瞬の蒸気で鶏の身がコーティングされます。あとは温度を下げてじっくり中まで火を通し、塩だけで味付けしています」。 カラリと揚がった鶏に、パパッと振りかける仕上げの塩は、焼塩をもう一度炒って、さらにフードプロセッサーで挽いている。細粒にした塩がちょうどいい塩加減になるのだとか。 「僕はももよりもむね肉が好きですね。ももは脂のうまさですが、むね肉は一枚肉ならではのジューシーさがあります。ぜひむね肉で鶏の持つうまさを味わって欲しいです」。

暁子さんによれば「鶏をたくさん食べたいからと、素揚げだけ予約の時に追加で注文される方も多いんです」とのこと。その気持ちわかりますとも。

そしてもうひとつの看板料理が『軍鶏鍋』。日本全国の軍鶏肉を試した中で最も肉質がやわらかく、味にコクのある《甲斐路軍鶏》と出合い、生まれたメニューだ。軍鶏肉とつくねのほかに入る具は、ロメインレタスや山クラゲ、千切り大根など。

「鶏のガラからとったうまみたっぷりのクリアなスープが薄まらないよう、水分が少なく、味が絡みやすい具材にしています。ロメインレタスはサラダでしか食べないと思いますが、煮込んでもおいしいんですよ」。 変わり種の具材にびっくり。でもそのおかげで鍋に残った濃厚なスープでいただく、シメの麺や雑炊のおいしさといったら! ここにしかない味を堪能したいなら、いざ鎌倉へ。


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----------------------------------------------------------------------------------------------------------------- KOYAMA 鎌倉市二階堂728-20 営業時間12:00 ~ 15:00 / 18:00 ~ 22:00 不定休 前日までの完全予約制。予約は同一コースを2名から受付。 《テイクアウト情報はこちらでご確認ください》
ひな鶏の素揚げコース1 人前 5,300 円(前菜、お造り、炊き合わせ、ひな鶏の素揚げ、三浦野菜のサラダ、麺または雑炊、デザート、お茶)、ひな鶏素揚げ&軍鶏鍋コース 1 人前 6,300 円
追加料理 国産ひな鶏の素揚げ(半身)1,500 円 *営業時間や料金、定休日などは変わっていることもあります。