杉田浩次さん。30年以上も日本料理や寿司の世界で魚を扱ってきた目利きの料理人。相模湾の地魚、とくに大好きなアジを語らせたら、熱く、濃く、深い愛に満ちている。 「一般的には黄色いアジがうまいとされているんだけど、時期やサイズによっては黒っけえアジの方がいいこともある。脂がのっているアジは、包丁を入れると腹に脂の塊があるし、背からも脂が滲んでくるんですよ」。

市場へ行くと、「絶対うまいから買ってね!」なんてアジの声が聞こえてくるそうだ。仕入れて持ち帰ったら、「お前すごいなー、オレが最高の刺身にしてやるからなー」なんてホメながら捌いていく。「アジに向かってブツブツ言ってる時は声をかけないようにしてます(笑)」と奥さん。

何はともあれ、まずはアジを食べてほしい。これだけのアジを選ってきたのだから、ほかの地魚も素晴らしいに違いない、って思うはずだから。

すぎ田 二宮町二宮824 営業時間17:30~22:30(L.O.) 日曜・第3月曜定休
ほかの魚と同様にアジも時価となるが、目安は握り(2カン)600円~、バッテラ(1本)1,500円~ *営業時間や料金、定休日などは変わっていることもあります。